Words

ことり

2020.11.12

君はなにも

気づいていない

小さな君は

ただ気持ちよく

糞をしただけ

 

おなかいっぱい

木の実を食べて

歌いながら

糞をした

空の上で

気持ちよく

 

君が食べた

その赤い実は

だれかが落としていった

小さな糞の

大きな結実

 

君のなかまか

君のかぞくか

むかしむかしの君の…

……かもしれない

 

きっと彼らも

気持ちよく

歌って飛んで

糞をした

 

君とおなじように

種を落としたともしらず

だれのためとも言わず

 

no.9(『Japanist』No.29掲載一部修正あり)