Words

ほしかったもの

2021.02.23

下を向くのも後ろを向くのも
ずっとダメだと思っていた。
 
けれど、
足下の可憐な花や
光の反対がわの美しい虹に気づいたときから
下も後ろもなかなかいいじゃないかと思うようになった。
 
早いのがよくて
遅いのはダメなんだと
出遅れるたび落ち込んだりもした。
 
だけど、
前の方はぎゅうぎゅうで息苦しそうだし
後ろの方がなんとなく心地いいような気がした。
 
ダメだと思っていたことのなかにも
結構いいことはあるものだ。
 
わたしがほしかったのは
これだったんだ。

 

no.41(『Japanist』No.40掲載 かなり修正あり)